ある日、自分がYouTubeにアップロードした動画を見ていたら、
広告が勝手に挿入されていること
に気が付きました。
YouTubeチャンネルの収益化の条件である
- 登録者1000人
- 過去12ヶ月総再生4000時間
という条件を満たしていないにもかかわらず、です。
なぜ、一体、わたしの動画に広告が挿入されているたのでしょうか。
もしかしたら、YouTubeが突如善意に目覚め、誰のどんな動画にも広告を挿入して収益を還元してくれているのではないか、と考えてみました。
そこでわたし自身のアドセンス広告のアカウントにログインし、収益をチェックしてみたんですが、全くYouTubeからの収益は発生していません。
不審に思いググってみたところ、こちらの記事がヒット。
なんと、2021年6月1日から施行された新しいYouTubeの利用規約により、
収益化設定していないYouTube動画にも広告を流すようになった
のです。
しかも、動画の制作者には全くその収益を還元されません。
100%広告収入をYouTubeが取ってしまう仕組みになっています。
収益化されていない動画にYouTubeが勝手に広告挟み、YouTubeが全て収益を独り占め。
こ、これは重大な利用規約の変更です!
慌ててYouTubeからの利用規約の変更のメールに目を通したところ、確かに規約変更の概要に次のように記載されていました。
このたび、YouTube の利用規約(以下「規約」)が更新されることになりましたのでお知らせいたします。本規約は、米国では 2020 年 11 月に更新されました。今回の変更により、YouTube へのアクセスやご利用に大きな影響はございません。
変更の概要:
顔認識の制限: 規約には、個人を特定できる可能性がある情報を許可なく収集することはできない旨がすでに記載されています。この規定は顔認識に関する情報に対しても適用されるものですが、新しい規約ではこの点をさらに明確にしています。
収益化に関する YouTube の権利: YouTube は、プラットフォーム上のすべてのコンテンツを収益化する権利を有しており、YouTube パートナー プログラムに参加していないチャンネルの動画にも広告が表示される場合があります。
ロイヤリティの支払いと源泉徴収: 収益を得る権利を持つクリエイターへの支払いは、米国の税務上の観点からロイヤリティとして扱われ、Google は法律上義務付けられる場合に源泉徴収を行います。
規約の更新内容をよくご確認いただきますよう、お願いいたします。新しい規約は、米国以外に居住の方に対しては 2021 年 6 月 1 日から適用されます。この日以降 YouTube の利用を継続することで、新しい規約に同意したことになります。なお、お子様に YouTube Kids の利用を許可される場合、お子様の代理として新しい規約に同意したことになります。
詳しくは、ヘルプセンターをご覧ください。
なるほど。
YouTubeにアップロードした動画コンテンツはYouTubeに所属するものであり、収益化しようがしまいがの決定権はYouTube側にある、と。
YouTubeパートナープログラムに参加していようがいまいが、全動画に広告をつけてしまうことになりました。
さて、この変化で弱小チャンネルの「唯一の強み」が失われました。
それは、
(広告をのせられないので)広告フリーである
という点でした。
その結果、ユーザーの視聴体験を損ねず、自分の動画を視聴してもらえました。
この点においてのみ、すでに広告を挿入して収益化に成功しているチャンネルと比べて比較優位があったのです。
しかしながら、上記のようにルールが変更されてしまうと、弱小チャンネルの優位性は一瞬で蒸発。
いや、蒸発どころか事態は悪化。
収益もらっていないにもかかわらず、勝手に挿入された広告により視聴者の気分を損ねる結果を招いています。
こ、これは余計にYouTubeチャンネルの収益化のハードルが上がってしまうではありませんか。
ただし、今回の規約の変更騒動にも1つだけ救いがありました。
先程のメールの下に記載されたヘルプページに飛んでみると、次のように書いてあったのです。
YouTube の収益化に関する権利。
YouTube パートナー プログラムに参加していないチャンネルまたは収益化に関する契約を締結していないチャンネルを対象として、ブランド イメージを損なわない一部の動画への広告の掲載を徐々に開始します。これらの広告から収益分配は発生しませんが、クリエイターが参加資格(変更はありません)を満たせば、引き続き YouTube パートナー プログラムに申し込みできます。
つまり、YouTube側が勝手に広告を挿入している動画は
ブランドイメージを損なわない正当な動画である
と認定されたということです。
まっとうで、正当で、広告を掲載するに相応しいだけの価値がある動画だ、と判断されたのだ、と前向きに考えられなくもありません。
今回の規約アップデートは動画制作者にとって苦いものになりましたが、いや、もういいんじゃないですか。
YouTubeが提供しているのは「広告収入が得られるかもしれない」という金銭的な価値だけではありません。
動画というヘビーな媒体を活用して自己表現ができる、という価値をもう十分、動画制作者に提供してくれています。
かつて、YouTubeのような巨大な動画共有プラットフォームがなかったため、いくら良い動画を作っても誰かに視聴してもらう機会すらありませんでしたから。
そう考えれば、例え収益を得られなくても、動画製作者はYouTubeに感謝するところはあると思います。
今回の騒動にもめげずに、前向きに考えることにし、引き続き動画制作に励んでいきましょう。
それでは!
Ken