映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の評価
得点 | 79点 |
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ジャンル | 少年少女恋愛系 |
活用シーン | 一人で映画館、もしくはデートなどの娯楽 |
推奨鑑賞人数 | 1人または2人 |
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のネタバレ・あらすじ
とある現代の日本でのお話。
海が近い市町村に「典道(のりみち)」という中学生の少年がいました。
夏休みに入るシーズンで、勉強のことは忘れて、祭りなどで遊ぶことを考えていました。
そんな夏休み前の最後の登校日。
少年「典道」とその友達の「祐介」がプール掃除当番。
学校のプールに行ってみると、そこには同じクラスの美少女「なずな」が日光浴していました。
2人ともなずなのことが好きだったので、ちょっとドキマギしますが掃除をすることに。
掃除終了後、典道と祐介が、プールで50m競争しようと盛り上がってると、なずなも一緒に競争したいと言い出したため、3人で泳いで50m競争することになったのです。
この競争はただの競争ではなく、
勝ったものが負けたものにいうことをきいてもらう
という条件で行われました。
その結果、なずなが2人に勝ちました。
典道よりも早くゴールした祐介に、なずなは、
「ずっと好きだったの。今日の祭り一緒に行こう」
と言ってその場を去りました。
その後、典道と祐介は教室に戻ると、男の友達たちが、
「花火は平べったいか?丸いか?」
という議論で盛り上がっていました。
結果、議論が全く収束しなかったため、男友達5人で花火が丸いか平べったいかを実際に祭りで検証することにしたのです。
なずなとの約束があった祐介でしたが、ちょっと照れくさかったのでしょうか?それとも典道に遠慮したのでしょうか。
なずなとの約束を破り、男友達と花火を見に行くことにしました。
一方、典道には祐介に変わって、なずなに断る旨を伝えておいてと、祐介に頼まれて派遣されることに。
典道がなずなを捕まえ、事情を聞いてみるとどうやらことは複雑でした。
なずなはじつは、この日を境に両親の再婚を理由に、遠くに引っ越すことになっていたので、その両親たちから離れようと家出する予定だったのです。
しかも、なずなは別に祐介が好きなわけでなく、プールの競争に勝ったどっちかの男子を祭りに誘う予定だったらしいのです。
この衝撃の告白を聞いていると、そこになずなの親の姿が。
なずなは必死の抵抗を試みますが、親に捕まって連行されます。
そんな様子を見ていて、祐介に怒りを覚えた典道は、怒り狂って、なずなが落とした透明な球を壁に向かって投げつけました。
なんと、この時、
「もしも、あのとき、祐介に水泳で勝っていたら」
と願いを込めたら、水泳競争のシーンに戻ることができたのです。
こうして、典道は今日という日を、後悔しないようにやり直すことになりました。
今度の典道はしっかりと泳ぎきり、祐介に勝ったので、なずなが典道を祭りに誘います。
しかし、物事はうまく運ばず、友達にばれたくないという想いから、祐介になずなと祭りに行くといい出せず。
結果的に、祐介を裏切ることでなずなと自転車に乗り、祭りに行こうとします。
ただ、行き先は祭りではなく、地元の最寄駅。
そこに着くと、なずなが、
「典道くん、駆け落ちしよう?」
と言ってきます。
電車が到着しましたが、初めての経験だったので典道が逡巡していました。
すると、なずなの両親が駅に到着。
なずなが連れ去られてしまいました。
悔しかったので、もう一度、透明な丸い球を投げて、過去をやり直します。
今度は、
「もしも、なずなと一緒に電車に乗っていたら?」
という願いを込めて見ました。
すると、今度は両親を見事に振り切り、電車に乗れたのです。
しかし、です。
今度は、電車に2人で乗っているところを祐介に見られたり、なずなの両親が次の駅で待ち伏せに来ていたりと、やはり二人の駆け落ちは失敗してしまいます。
そこで今度は、透明なボールに、
「もしも、見つからずに電車に乗れたなら」
と願いを込めて見ます。
すると、今度は、祐介たちにも見つからないし、両親たちが待ち伏せている次の駅にはいかないルートを電車が進み始めたのです。
こうして、2人は駆け落ちに成功し、電車を降りて浜辺でイチャイチャしていました。
この世界は、やり直した偽りの世界だったので、どこか変。
が、この世界でないと、典道はなずなと仲良くできなかったので、元の世界に戻ることをためらっていました。
そんなうちに、1人の花火師が、浜辺を歩いていると、2人が落とした透明な例のボールを発見。
酔っていたので、花火の玉と間違えて打ち上げて壊してしまいます。
こうして、典道が作り上げたなずなと一緒に駆け落ちした世界が確定されたのです。
夏休み明け、学校の教室で点呼されましたが、典道の姿はそこにはありませんでした。
典道はなずなと駆け落ちに成功したのか、水死してしまったのでしょう。
ともあれ、こうして典道はなずなとともに町をさることになったのだとさ。
THE END
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の感想
映画を観る前に、結構酷評ばかりだったのでかなりハードルを落として鑑賞して見たのですが、
いいじゃないですか。
全然いい。
この映画の見所は、
- 中学生の恋愛(女子が精神的に成熟している時代の恋)
- 現実には透明な玉が存在してないので後悔しないように生きようぜ、という戒め
- 意味深なエンディング
の3点でしょう。
中学生の恋愛
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主要登場人物は、中学生たち。
彼らの恋愛を描いているのでとてもフレッシュ。
セックスとか結婚とか、そんなものは一切でてきません。
中学時代であるがゆえに、
女子のなずなが男子陣を精神年齢的に凌駕している
という点が個人的に楽しめました。
「そうそう、そうなんだよ、この時代の女子はね、男子より成熟してるんだよ」
と一人納得しながら映画を見てました。
中学校時代に繰り広げた小さな恋をちらほら思い出すことになるでしょう。
透明な玉の戒め
主人公は、透明な玉を投げると、過去に戻ってやり直せるという無敵の力を手にします。
ただ、過去に戻っても、うまくいかないものは行かない。
だけど、
「あそこで全力を出していれば・・・・」
とか、
「あそこで正直に自分の心に従っていれば・・・」
と言った後悔が見受けられました。
しない後悔というよりは、
「すればよかった」という後悔の色が強かったです。
この映画を見ていて、すればよかったという後悔は後でしないようにしよう、と戒めれられました。
意味深なエンディング
あとは、最後のエンディングが意味深。
出席をとるシーンが夏休み明けなのか、夏休み前なのか定かではありませんが、出席をとると、典道がいない、というところで映画が終了します。
果たして、なずなと駆け落ちに成功した世界になったのか?
それとも、
二人で水死してしまったのか?
それとも、
ただ寝坊しただけなのか?
これは鑑賞する人の想像によります。
おそらく、この最後のエンティングの問いかけが、タイトルの、
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
につながってくるのでしょう。
どの角度から見ても、典道が消えたという事実を解釈することができる、
というのがこの映画の味噌。
個人的に意外と楽しめたので、気になる方はよかったら鑑賞してみてくださいね。
それでは!
Ken