前回、Part 1の選択肢の写真で「ヒトが写っている問題」の解きかたを紹介してきましたよね。
ちょっと復習すると、ヒトが写っている問題では、
約8〜9割の確率でヒトの描写の選択肢が出現します。
したがって、ヒトが写っている問題の対策としては、ヒトを描写する選択肢さえ攻略すれば事足りたのですね。
がしかし、です。
ところがどっこい。
TOEICのPart1は、ヒトが全く写っていない写真も出てきちゃうのです。
例えば、こんな感じの写真。
モノだけの写真問題では、ヒトが写ってる写真の時と比べて少し難易度が上がりますのでご用心くださいませ。
今日はこのタイプのPart1の問題の解き方を解説していきます。
選択肢が描写すること
まず知っておきたいのは、
モノのみ写っている写真の問題の選択肢が描写する事柄です。
それは次の2つに絞られます。
- モノの位置・場所
- モノの状態
数々のTOEIC試験をくぐり抜けてきた結果、どの選択肢もどちらかを言及していることに気が付いたんです。
つまり、
「どんなモノ」が「どこ」に「どんな状態」になっているのか?
を写真から読み取ればいいんですね。
Part 1の問題の写真に、ヒトが全く写っていないと悟ったら、まずは物体の位置を確認。
最後に、それがどうなっているのかという「状態」まで目に通しておけばいいのです。
例えば次のような写真があったとしましょう。
この時、モノの位置を描写する選択肢の場合は、
Some chairs have been place around the desk.
モノの状態を表わす選択肢の場合、
All chairs are unoccupied.
のような選択肢が出てくるはず。
選択肢の表現
次はこれらの選択肢がよく用いる表現をみていきましょう。
モノを描写する選択肢の場合、次の6パターンが出てくることが多いです。
- be動詞(現在形) + 過去分詞
- have + been + 過去分詞
- be + 動詞のing
- be動詞 (現在形)+ being + 過去分詞
- There is / are
- 主語 + be動詞 + 前置詞 + 場所の名詞
それでは1つ1つ見ていきましょう。
現在形の受動態
まずは「現在形のbe動詞 + 過去分詞」の選択肢です。
つまり、これ、
現在形の受動態
ですね。
例えば次のような文章です。
Some photos are displayed on the wall.
この選択肢の場合、モノの状態を表わすことが多いです。
現在形なので、カメラのシャッターが切られた瞬間のモノの状態を表しています。
日本語に訳すならば、
モノが〇〇されている状態にある
と訳すことになるでしょう。
have + been + 過去分詞
続いて、過去分詞形を用いた表現で、
have + been + 過去分詞
という形です。
こちらも先程の「現在形の受動態」と同じく、日本語訳にするならば、
モノが〇〇されている状態にある
という訳になるでしょう。
ただし、現在形の受動態と比べると、時間軸で少し意味合いが異なります。
カメラのシャッターを切った瞬間を「現在」とするならば、「have + been + 過去分詞」の場合は、
シャッターを切る時間より前からその状態にあることを意味します。
例えば、
Some chairs have been placed in front of the store.
だったら、カメラのシャッターが切られる前から、その物体(some chairs)がそこに設置されていたことを意味するんです。
このように現在形の受動態より時間の幅が広いこともありまして、
- モノがどこかに置かれている
- モノがどこかにセットされている
のように、シャターを切る過去の時間帯に、ヒトの力によって何か動作がなされた結果、今の状態になっていることを意味するのです。
そのため、この表現の場合、モノの場所・位置を表すこともあれば、モノの状態を示すこともありますね。
モノの描写の選択肢としては出てきやすい表現なので押さえておきましょう。
be動詞 + 動詞のing
続いては、be動詞 + 動詞のing形の現在進行形ですね。
モノが主語になるので、
カメラがシャッターをきっている瞬間に、モノが何かしている、
という現在進行中の動作を表わす選択肢です。
「モノが動作する」なんて信じられないかもしれませんが、英語の世界ではよくあります。
例えば、
- カーテンが窓を覆っている(Some curtains are covering the windows.)
- 絵が壁にかかっているとか(Some pictures are hanging on the wall.)
とかですね。
その場合、カーテンとか絵などの「モノの名詞」が主語になりうるんです。
お察しの通り、現在進行形の選択肢は、モノの場所というより、
主語になっているモノの状態を表わす選択肢が多いです。
ちなみに、時間軸では現在形ですので、写真のシャッターが切られた瞬間のモノの動作を表しています。
be動詞(現在形) + being + 過去分詞
これもよく出てきます。
これは、受動態の現在進行形になっているので、
あるモノが今現在何かをされていることを意味します。
例えば、
Some trees are being cut down.
だったら、シャッターが切られた「今」に木が切られていることを表した選択肢なんです。
モノが今シャッターが切られた瞬間に、ヒトによって何かされていることを表す選択肢
ですから、この選択肢が正解である場合は写真にヒトが写っている必要があります。
さもないと、ヒトによってではない何かによって動作がされていることになり、ちょっと怖いですからね。
この選択肢が正解になるパターンは、
写真にヒトが写っていているにもかかわらず、ヒトをスルーしてモノを描写してくる選択肢
に限ります。
だから、モノだけ写っている写真の問題ならば正解になり得ないのです。
ちなみに、時間軸でみると、これもやはりbe動詞が現在形なので、シャッターを切ったその瞬間を描写しています。
そして、受動態が現在進行形になっていますので、まさにその瞬間に何かがモノにされている「リアルタイム性が強い表現」。
この場合は、ヒトによって何かをされていることを意味するので、自然とモノの状態を描写する選択肢になります。
There is / are
ご存知の通り、There is /are は
あるモノがある場所にあることを表現する鉄板の英文ですね。例えば、
There are some shoes on the floor.
もちろんこの表現もPart1でたまに出題されますんで、しっかり押さえておきましょう。
この表現では現在形のbe動詞が使われるので、写真のシャッターを切った瞬間のモノの位置を表しています。
be動詞 + 前置詞 + 場所の名詞
最後はこちらです。
主語にbe動詞の現在形がついて、さらに前置詞が続いて、最後に場所の名詞。
これにより、
あるモノが〜にある
と、モノの場所・位置を描写する選択肢です。
例えば、
Some shoes are on the floor.
という選択肢だったら、「いくつかの靴(some shoes)」がフロアの上にあるということを描写できます。
前半と同じく、モノの場所を表す表現。
時間軸でみると、現在形であることから、写真のシャッターを切った瞬間におけるモノの位置を描写しています。
まとめ:モノだけの写真はPart 1の難所である
以上、モノのみが写っている写真の問題の解き方でした。
やはりモノの写真はヒトが入り込んでいる写真よりも、難易度がアップしますね。
その理由としては、
- 選択肢の表現のパターンが多いこと
- モノを表す名詞の種類が豊富であること
が挙げられます。
ただし、選択肢は必ずや
- モノの場所
- モノの状態
を表わす文に絞られます。
写真にヒトが写っていないと判断したならば、素早くモノの情報をキャッチするように心がけましょう。
このモノのみの写真は、Part1の中で1つか2つのみ出題される少数派です。
ここを落とさず正答できれば、Part1の100パーセント正答率が見えてきます。
練習問題を解いて、モノのみの写真の問題のパターンにも慣れていきましょう。
それでは!
Ken