先日「変なホテル」に初宿泊してきました。
ご存じのない方のために説明しておくと、決して「変な」ホテルではありません。
「変なホテル」というホテルに宿泊したのです。
「変な」という「形容詞」がつくぐらいです。
どこかしら変であるはずですが、ただの1点、他と比較して変なところがありました。
それは、
受付に人がいない、ということ。
入り口に受付はある一方で、そこに、生身の人間はいません。
代わりに「ヒューマノイドロボット」が置いてあるんですね。
ジェンダーフリーを意識してか、男女一体ずつ置かれていました。
到着したら、受付に近づきます。
ロボットに名前を聞かれますので
「飯橋です」
と名乗ると、音声で名前を認識。
予約名簿から名前を探してタブレットに表示してくれます。
手元のタブレットに「こちらでよろしいですか」と出るので「イエス」を選ぶと、中央の精算機に支払いスタート。
クレジットカードはもちろん、現金もオッケー。
支払いが完了すると、ルームキーとレシートがマシーンから出てくるんですね。
はい、これでチェックインはおしまい。
人を介さないチェックインがこんなにも滑らかだとは!!
そうです、変なホテルとは簡単に言ってしまうと
無人受付ホテル
に他なりません。
これだけ聞いてもピンとこず、
「へ〜、変なホテルって受付が無人なんだ。へ〜」
と素通りしたくなるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。
数々のチェッホテルにチェックインしてきた身からすると、このシステムは革新的にうつります。
なぜなら、チェックインのストレスが激減するからです。
人を介するチェックインにはとにかく手間がかかります。
名乗り、住所・氏名を紙にかかされ、手首の検温、健康チェックシートの記入。
クレジットカードを機械に差し込み、暗証番号を入力してください、と言われ、暗証番号入力。
領収書の宛名は?と聞かれ、領収書の宛名を答えて、ルームキーが出されたら「ありがとうございます」と感謝せねばなりません。
単純なやり取りではございますが、なかなかにコミュニケーションコストが発生し、わりと消耗します。
いや、
「チェックインで疲れる」ということに、変なホテルに宿泊して初めて気付いたのです。
人を介せず泊めてもらう体験は、我が家に帰ってきた感覚に近いです。
無条件に受け入れられている感、とでもいうのでしょうか。
帰省した際、実家の父母に出迎えられている気がしました。
人間のスタッフを介すると、どうしても「よそに泊まりに来た」という事実は拭えません。
それが「よそ者」にとってはストレスに感じるのです。
変なホテルにまったく人がいないかというと、そうではありません。
受付の裏にバックオフィスがあり、鈴を鳴らすと人間が出てきて対応してもらえます。
このバックオフィスの存在は、チェックアウト時にクロークサービスを利用するまで気づきませんでした。
そしてもちろん、清掃スタッフもいます。
「清掃してください」の札をかけておけば掃除してもらえます。
変なホテルは「完全に無人」ではなく、ホテルの顔とも呼べる「受付業務」の比重を軽くした宿泊施設だったのです。
気になった方はぜひ宿泊し、ご自身で味わってみてください。
それでは!
Lin