型に入れなかったので『「型を破る人」の時代』を読んだ

どうも最近、変人って呼ばれることが多いよなぁ・・・・

と一人で思い詰めていたときのことでした。そんな危ない精神状態で出会ったのがこの黄色い本。何やら力強いフォントで『「型を破る人」の時代』とでかでかとタイトルが書かれているではありませんか。

しかもぱらぱらとページをめくると次のような文章が目に飛び込んできたのです。

エジソン、キュリー夫人、キング牧師ーみんなアーティストだった

と。

ぼくは、自分の奇怪さをこの本が肯定してくれるのでは??と淡い期待を抱いてレジにとぼとぼと歩いていきました。

以上がこのビジネス書籍とぼくの馴れ初めです。

 

『「型を破る人」の時代』は一言でいうと!?

このビジネス書籍をぼくなりに一言で表現するとつぎのようになります。

アーティスト(型を破る人)を肯定するマインドセット集

です。この本は他のビジネス本と比較して、実際に起きたビジネスの実例がすこぶる少ないのが特徴でした。この本を読めば、アーティストとしての心構えをシャワーのように浴びることができます。しかし、実際の起業・ビジネスでどう生かすのかについては全くと言っていいほど触れられていません。

今すぐにでもマネーが欲しくてうずうずしているんだよ!?こっちは!

というモンスターペアレンツのような読者の方にはオススメできない書籍です。

逆に、将来、世の中に新しい価値を生み出そうと必死になっている起業家の方たちや、今現在つとめている大企業に不満がたれたれのサラリーマンの方々が読まれると、きっと幸せ度が増すでしょう。

 

ぼくが見つけた『「型を破る人」の時代』の3つのポイント

最後に、ぼくが個人的に見いだしたこの本の魅力を3つほど紹介します。このビジネス本にちょっと興味がある、という好奇心の高い方はよかったら参考にしてくださいね。

 

1。アート・アーティストの本質を語る

まず一点目は、アートについての記述が非常に多いことです。おそらくこのビジネス本上でCtrl+Fを押して「アート」と検索すると、少なくとも100個検索結果が表示されるはずです。それぐらいに「アート」という言葉はこの本のキーワードになっています。

セス・ゴーディンは著書の中で「アート」、「アーティスト」について次のように語っています。

物語を変えるツールがアートであり、物語を現実にするのがビジネスである。

アートとは「新しく、複雑で、活気にあふれたもの」

アーティストの仕事は、次々に企画を立て、問題を解決していくことで、洗練された原料から、さらに洗練された製品を生み出すこと

アーティストが作り出すものがアートなのではなく、アートを作り出す人がアーティストなんだ。

アーティストはラベルをはがす方法を学び、新しいものを迎え入れることができる人たちだ。

アートとは「やめろ」と叫ぶ頭のなかの声とダンスを踊りながら、それでも重要な仕事をしてくことだ。

ふむふむ。これらの引用文を参考にして、ぼくなりに「アート」との本質に思いを馳せてみました。

ずばりアートとは、

自分の内側から新しいものを生み出しそれを形にすること

です。誰の見聞でもない、自分というフィルターを通してものごとを判断して、それを実際の形におこす、ということがアーティストの仕事です。はい、たぶん。ゆえに、この『「型を破る人」の時代』というビジネス本を読了してその書評を作り出してるぼくもアーティスト、ということですね?笑

 

2。アーティストであり続けるためのマインドセット

アーティストはその斬新さ・奇怪さゆえに、周囲から疎まれる存在です。そんな社会で生活しにくさを感じるアーティストたちが、アーティストでいるためにはどうすればいいのか。

特に日本の社会では「出る杭は打たれる」という諺が流行るほど、アーティストにとっては厳しい国です。おそらく、この国では星の数ほどのアーティストが悲鳴をあげていることでしょう。

以下がアーティストが持つべき心構えです(本文より引用)s。

誰もあなたを選んでくれない。自分で自分を選択するしかないのだ。

彼ら(起業家たち)は一般の人とは異なる傾向のせいで、自分が選ばれる可能性が少ないことを、人生の早い段階で自覚していた

一般社会に順応できなかったからこそ、彼らにはオリジナルの道を選ぶしか選択肢がなかった

人はラインを超え、人生を楽しむようになると、より多くのアートを生み出すことができる。

今日一日でいくつ新しい世界に飛び込んだかを数える習慣をつけよう

うまくいかなかったら、もっといいアートをつくればいい。どうすればよりよいアートがつくれるのかわからなかったら、学べばいい。上司がアートをやめさせようとしたら、別のアートをつくればいい。そして、またやめさせられたら、責任をとって、別のアートをつくろう。もっとよいアートがつくれるか、クビになるか、どちらが先になろうと、それまで続けよう。それからもっと多くのアートをつくってほしい。

あなたはアーティストであって、アートそのものではない。もし作品が評価されなくても、明日またもっとたくさんの(よりよい)アートをもって、戻ってくればいい

クリエイティブになるには、テクニックは二の次(というより、六番目でもいいくらい)で、一番大切なのは献身(コミットメント)と実践(プレー)なのだ。

失敗してもいいほど情熱があるか。

失敗のコストは、やってみないコストに比べると小さいのだ。

型にはまらない異分子や率直に意見をいえる人がいるからこそ、世の中はおもしろいんだ。

うーん、とりあえず上記の引用文をまとめると、

「アートを生み出し続けること」が「アーティストでいるためのコツ」である

ということになりそうです。ぼくたち人間はアートではなく、アーティストです。何度だって死ぬまでならアートを作り出すことができます。アートを創りだす際に、失敗を恐れないこと・失敗を超える情熱を持つことが重要だと言いたいのですね。ふむふむ。

余談ですが、著者セス・ゴーディンは「書くこと」というアートについて次のように述べています。

作家のスランプを克服するのは、難しいことではない。ただ書けばいい。下手でもかまわない。下手な文章でも書き続けて、人に読んでもらっているうちに、やがてうまく書けるようになる。

毎日書くんだ。来る日も来る日も。日記ではなく、フィクションではなく、分析をしよう。この世界で見たことについて、明確に、シンプルに、正直に書こう。あるいは、これから見たいことを書くんだ。

毎日何かを、たとえ一文でも書かなくてはならないと思ったら、文章は向上するはずだ。もちろん、頭のなかの抵抗感は何も書かせまいとするだろう。アイデアは秘密にしておこうとするだろう。

彼の言葉に励まされました。どんなに忙しくても書くのが嫌いになりそうでも、一日に一回は文章というアートを生み出すことにしました。ふえい!

 

3。アーティストの未来

最後にアーティストの今後将来を大まかに語っています。以下引用です。

権力は、もはや不足していない製品を提供する人びとから、つながりをもたらすアートを作り出す人のものとへと、急速に移行している。

大衆はただ人気のあるものに関心をもつが、変人(ユーモアを解する人たち)は、新しいアイデアにおいて、かつてないほど大きな影響力をもつようになっている。

十億人がつながっている時代に、その人が「何者か」ということよりも、「何をしたか」で評価される時代に生きている。

いまの時代、商品を創るのは工場ではなく、個人の脳であるから、信頼しあえるコミュニティに属することにより、商品はいかようにでも創りだせるのである。

「現状維持」と「まわりに合わせるために必死になること」は、もはや何の役にも立たない。なぜなら、経済も文化も大きく変わってしまったからだ。

いまの「つながりの時代」においては、独自性とアートなくして、目のまえの仕事を片づけることは不可能だ。

大量消費の時代が終焉し、アートを創りだしていかないと仕事がなくなる・・・

という暗いニュース。しかし、このような未来だからこそ、「何ができるのか」ということだけで評価される時代が到来するのです。これは、ゼロから創りだすことが得意なアーティストにとって美味しい時代です。逆に、「大企業に就職して肩書きを得ることが人生の目標だ」のような古いビジネスマンは淘汰されていく、と述べています。

ぼくは気づいたら型に入る人間にはなれかったので丁度よかったです。ははっは

 

『「型を破る人」の時代』を読んだら熱くなる

型にはまってる人もそうでない人も一度でいいのでこの本を読んでみましょう。

読者の何人かの方がアートに目覚めてブログを始めることを、密かに願っております。

それでは、また今度。

Ken Sawai