健康そうな和食を良心的な価格で提供してくれる神食事処「大戸屋」。

外食する際は都度、お世話になっておりますが、実は2021年4月1日から新たな取り組みを始めたのです。

その名も、

大戸屋パスポート

です。

英語読みは「Otoya Service Passport」ですが、本質的に言えば「スタンプカード」でございます。

税込500円のお会計ごとに1つスタンプを押してもらえます。

用意されたスタンプ欄は最大で14カ所にのぼり、特典は以下の2つです。

  • スタンプ 7個 → 特典A(ミニ鶏の黒酢あん、または、ミニすけそう鱈の黒酢あん)
  • スタンプ 14個 → 特典B(税込600円引き)

この大戸屋パスポートは会計時に無料で貰えるものです。

大戸屋好きの方ならば是非とも活用したいところですが、実はこの大戸屋のパスポートには「1つだけ」落とし穴が存在していたのです。

 

大戸屋パスポートに隠されたトラップ

それは、大戸屋パスポートに記載された「小さな注意書き」に隠れていました。

特典のご利用は本券1枚につき、「特典A」または「特典B」どちらかに限ります。

 

はい、つまり、

1枚のパスポートで1つの特典しか受け取れません。特典A・Bの両方を受け取れないのです。

もしも、スタンプを7個取得したタイミングで特典Aを受け取ってしまえば、そのパスポートは回収されてしまいます。

たとえ、スタンプが7個ジャストではなく、9スタンプだろうが、8スタンプだろうがお構いなし、です。

有力なパスポートであっても、特典Aを受け取った瞬間に店側へ回収される運命なのです。

 

したがって、特典Bを受け取たい方は特典Aを我慢してスルーし、14スタンプ貯まるまで大戸屋に通わねばなりません。

途中、誘惑に負けて特典Aを受け取っていたら、いつまでたっても特典Bにたどり着かないのが大戸屋のパスポートの真相だったのです。

 

特典Aにすべきか、特典Bにすべきか?

というわけで、1枚の大戸屋パスポートで受け取れるのは特典A・特典Bのいずれかであると判明しました。

そこで考えざるを得ないのが、

大戸屋のパスポートの特典A・Bのどちらを受け取るべきか、という事案です。

 

スタンプの価値は特典Aが高い

まず、1スタンプが持つ価値に注目しましょう。

特定Aで受け取れる「ミニ鶏の黒酢あん」「ミニすけそう鱈の黒酢あん」の値段はともに350円(税込)ですので、7スタンプでこの1皿を得た場合、1スタンプ当たりの価値は「50円」です。

一方、特典Bを選んだ場合は、スタンプ14個で600円の割引という恩恵を受けられます。

単純計算、600円を14で割って見ると、1スタンプあたりの価値は「約42.9円」です。

したがって、スタンプの価値という切り口で考えるならば、特典Aのほうが「約7.1円」高いのです。

 

スタンプ数の不確定さを考慮する

かしかし、です。

特典Aのほうがスタンプの価値が高いと判明しましたが、この計算はそもそも「7個スタンプがぴったり貯まった」という奇跡が起きた場合に限ります。

あらかじめ明確に、7個のスタンプをぴったり食べる意図をもって注文しなければ成し遂げられません。

予定より食事代金がオーバーし、スタンプが意図せず8、9個たまっていたとすると、特典Aを発動した際のスタンプの価値は減少します。

例えば、スタンプ9個の状態で特典Aを取得したとすれば、

350 ÷ 9

≒ 38.9円

となり、この数値は特典Bのスタンプ価値の42.9円を4円ほど下回っています。

 

一方で、特典Bの場合は最大スタンプ数自体が14個ですので、それをはみ出して15個貯まることは起こり得ません。

それでは15個目のスタンプはどこにいくのかというと、もう1枚新しい大戸屋パスポートを発行してもらえます。

とどのつまり、特典Bには「スタンプの取りこぼし」がありません。

以上の2点を考慮すると、特典AもBもそれほど1スタンプ当たりの価値は変わらず、同じぐらい価値があると言えます。

 

はい、したがって、結論をいうと、わたし個人的には次のように考えます。

特典Aの「ミニ鶏の黒酢あん」「ミニすけそう鱈の黒酢あん」が本当に本当の好物である場合を除いて、特典Bを狙うべきだ、と。

「ミニ鶏の黒酢あん」「ミニすけそう鱈の黒酢あん」がよほど好きならば特典Aでドロップアウトし、350円の価値に変換し、次の新しい大戸屋パスポートを取得し、再び特典A目掛けて大戸屋に通いましょう。

 

一方で、「ミニ鶏の黒酢あん」「ミニすけそう鱈の黒酢あん」に特別な思い入れがなければ特典Bが貯まるまで我慢し、スタンプ14個を取りこぼしなく貯めます。

そして、全注文品に対して600円の割引を享受できるよう、特典Bを発動するのです。

 

ウブだったわたしは当初、このトラップに気付かず、

スタンプ9個で特典Aを受け取ろうとしました。

しかし、その際、店員さんに

「特典Aを受け取るとBが受け取れなくなりますよ」

という忠告を受け、ハッと我に返り、急遽特典Bまでスタンプを貯める路線に切り替えたのです。

 

この大戸屋パスポートは無料で受け取れるものです。

大戸屋によく通われる方は取得することに越したことはありません。

お会計時に勇気を出して

「大戸屋パスポートもらえますか」

と一言発すればいいのです。

 

ただし、パスポートの有効期限は今のところ「2021年9月30日まで」とされています。

この素晴らしい取り組みがいつまで続くか分かりません。

有効期限になる前に、特典AにするかBにするかという決断をくだしてみてください。

 

それでは!

Ken