漢字検定2級には数々のサブセクションが設けられており、これらの正答率が低いことが要因となり、全体の合格率の低さを招いています。
現に合格率はたった「25.6%」であり、合格するのは容易ではありません。
4人に1人しか合格できないのが漢字検定2級なのです(2020年度 第1回)。
そのサブセクション中に「熟語の構成」があります。
これは(三)の問題でありまして、文字通り、
2文字の熟語の意味の構成を答えねばなりません。
二字熟語が提示され、1つ1つの漢字がどのような意味をなしているのか?
当てはまる選択肢を次のア〜オの5つから1つだけ選びます。
- ア:同じような意味の漢字を重ねたもの(岩石)
- イ:反対または対応の意味を表す字を重ねたもの(高低)
- ウ:上の字が下の字を修飾しているもの(洋画)
- エ:下の字が上の字の目的語・補語になっているもの(着席)
- オ:上の字が下の字の意味を打ち消しているもの(非常)
漢字検定2級のデータを見ても、難易度の高さが伺えます。
令和2年度第3回の試験では、
- 全受験者の平均点:20点中14.4点
- 合格者の平均点:8割弱
でした。
部首、四字熟語と並ぶ「正答率の低い問題」としての結果が出ています。
この記事では、この漢字検定2級の熟語の構成の攻略方法を紹介します。
漢字検定2級の熟語の構成問題の攻略方法のコツ
コツは次に紹介する4つです。
否定の熟語を見分ける
最も簡単なのは「オ」の熟語です。
選択肢「オ」とは、
上の字が下の字を打ち消している熟語
ですよね。
なぜ「オ」が最もわかりやすいのでしょうか。
それは、
選択肢「オ」になる熟語のパターンが決まっているからに他なりません。
ズバリ、
「否定の漢字」が頭につく熟語は「オ」です(問答無用で)。
ここでいう「否定の漢字」とは次の3種類。
- 未
- 不
- 無
「未」ならば、
未来、未婚、未熟、未踏
といった二字熟語が相当し、「不」ならば、
不浄、不遜、不急、不穏
が該当します。
最後の「無」は、
無人、無為、無知
が具体例です。
つまりは、
- 未
- 不
- 無
のいずれかが1文字目の熟語ならば「オ」で正解なのです。
この裏ワザを知っておけば、問題を見ただけで答えがわかります。
訓読みする
がしかしながら、です。
全問題の答えが「オ」ではありません。
他にもア〜エの4パターンありますので、我々は考える必要があります。
残念ながら、そのア〜エの見分けの裏技は存在していないため、地道に答えを導かねばなりません。
そこでおすすめなのが、
1字ずつ訓読みする方法です。
漢字1字ずつ訓読みすると、漢字の意味が見えてきます。結果、熟語全体の構成がわかるのです。
例えば、頻出熟語「忍苦」を考えてみます。
この熟語には「無」「未」「不」といった「否定の漢字」はついていませんね。
ゆえ、オ以外の選択肢、ア〜エのどれが当てはまるか判断せねばなりません。
試しに、1字ずつ訓読みしてみると、以下のようになるはずです。
- 忍:しのぶ、がまんする
- 苦:くるしみ
「忍」は「がまんする」意味のを持つ動詞で、「苦」はそのがまんする対象を表していますね。
換言すれば、「苦」は「忍」の目的語です。
つまり、選択肢「エ」が正解。
以上のように、漢字1字ずつ訓読みすることが熟語の構成を暴く第1歩になります。
迷ったら「ウ」
はて、訓読みしても漢字の意味がわからない
そんな時もありますよね。
そういう時は、迷わず「ウ」です。
なぜなら「ウ」の可能性が一番高いからです。
漢字検定2級の過去問10年分130回分を分析したところ、選択肢の構成割合は次のようになりました。
選択肢 | 出現数 | 割合 |
---|---|---|
ア | 81 | 25.9% |
イ | 41 | 13.1% |
ウ | 97 | 31.0% |
エ | 64 | 20.4% |
オ | 30 | 9.6% |
「ウ」の割合は、なんと、
31%
でした。
もはや、全体の3割を占めていますので「3問に1問はウ」です。
冒頭で紹介した「オ」と比較すると20%も開きがあります。
したがって、
本当にどうしても答えが分からず、適当に選ばねばならない・・・・
そんな時は「ウ」を選ぶべきです。
問題を解きまくる
とはいえ、人生、すべて慣れです。
熟語の構成は、漢字検定オリジナル問題ですので、漢検の問題を解きまくることが慣れを創出します。
おすすめなのは、
公式の過去問題1年度分13回分の問題を解きまくる
です。
1回の問題には10問の熟語の構成問題が含まれています。
1年度分の過去問題で130問に挑戦できます。
もちろん、間違えたら都度復習してくださいね。間違えを放っておいたら演習の意味がありません。
ただし、公式の過去問には解答しかついていません。
間違えたとしても、解答の理由は自ら考えて納得する必要があるのです。
もう1つの選択肢は、わたしが開発した『完全でる順 漢字検定2級 熟語の構成 満点ドリル』で修行する道です。
公式の過去問10年分を分析し、出やすい熟語を抽出しました。
間違えても答えに納得できるよう、各々に解説も付与しました。
2級の熟語の構成が苦手な方は『完全でる順 漢字検定2級 熟語の構成 満点ドリル』で突破力をつけてみてください。
それでは!
Ken