HSK5級には、1〜4級にはなかった「とある特徴」がございます。
それは、
合否判定がされないこと。
検定試験にあるはずの「○○点以上ならば合格」という合否ラインは存在しません。
TOEICのように「スコアの絶対値」で中国語語力が評価されるのです。
ただ、こうなってくると、
「それじゃあ、HSK5級で何点を目指したらいいかわからない」
「履歴書に書いていい点数は何点からだろうか」
と思うかもしれません。
特に履歴書でHSK5級の成績を書きたい方はひどく気になっていることでしょう。
そのヒントはHSKの公式ページに「小さく米印」で書いてありました。
但し、6割(基準点:180点)以上のスコアで5級の能力を有していると判定できます。
つまり、
「公式の合否は出さないけど、まあ、6割で合格した、と自慢していいよ」
というわけ。
それゆえ「HSK5級ホルダー」としてアピールしたい目的でございましたら、
6割の「180点」で合格した、と言っていいことになります。
が、しかしです。
わたし個人的に、HSK5級で6割合格は甘い基準と考えます。
HSKでは1級〜4級でも全体スコア「6割」で合格とされてきました。
しかし、6割という合格ラインは、
中国語学習に適性がある日本人にとってはゆるすぎるのです。
漢字を知っている日本人にとって、中国語の意味を推測するのは容易です。
たとえ、中国語の単語自体を知らなくても意味がわかってしまいます。
この能力ゆえ、日本人はリーディングとライティングにおいて多民族を寄せ付けない強さを発揮します。
日本人がHSKで6割を取るのはそう難しいことではありません。
しかも、HSK5級より1つ上の「6級」との隔たりを考えると、余計に6割スコアでは足りません。
なぜなら、6級に必要な語彙力は飛躍的に増えるからです。
公式情報によると、HSK6級に必要な語彙力は次のように記載されています。
主に5,000語かそれ以上の常用単語を習得している者を対象としています
一方、HSK5級の語彙力は「2500語程度」です。単純計算、
5級からさらに「2500語」積まないと6級では戦えません。
したがって、5級で180点の6割で合格とし、6級に進むのは早すぎる、といっていいでしょう。
以上のことを考慮し、わたしが出した結論はこうです。
- 履歴書に「HSK5級ホルダー」と書いて中国語力をアピールする
- 他人にHSK5級に合格したと告げる
という「中国語力を証明する」目的でございましたら、300点中6割の180点で「HSK5級合格」とするといいでしょう。
一方、中国語力を継続的に高め、さらに上の6級にも挑戦する、という未来を描いているならば、HSK5級で6割は合格とは言えません。
むしろ、満点に近い9割(270点)以上を取って合格と考えるべきです。
今回、HSK5級に初受験のわたしも、180点という最低合格ラインは気にしつつも、
9割270点
を5級卒業のラインとします。
9割(270点)に到達しない限り、5級ループから脱せず、9割に達した段階でHSK6級に挑戦する、と誓いました。
以上のように、HSK5級には公式の合否判定が存在していません。
受験目的と、中国語学習の未来を見据えて、自分自身で合格ラインを設定していきましょう。
それでは!
Ken