HSKは中国人が運営する試験であり、日本の試験とは異なる特徴が多々見受けられます。
それを楽しんでもいるのですが、中でも特徴的なのが、
イエローカード・レッドカード
というペナルティ制度です。
HSKの試験官は、イエローカード・レッドカードを常に携帯しており、ルールを犯した受験者に各種カードを提示します。
ルールはサッカーと同じ。
イエローは「警告」。
レッドは「一発退場」。
そして、イエロー2枚でレッドと同じ効力を発揮し、こちらも退場です。
これと同等のペナルティ制度を持つ試験にお目にかかったことがないため、
「ハハハ、これは面白い」
と思う一方、
何をしたらイエローカードなのか?レッドカードなのか?
その判断基準は定かではなく、受験者としては不安が残ります。
実際、わたしたちを管理していた試験官いわく、
「アラーム音を鳴らしたらレッドカードで一発退場」
と言っておりました。が、しかし、その他の行為については全く言及していなかったのです。
それでは、他の禁止行為をおこなった場合はどうなるのでしょうか。
イエローカードなのか? はたまたレッドカードなのか?
例えば「他のパートを見る」という行為はどうでしょうか。
サッカーでは、イエローカードとレッドカードの境目は「レフェリーの裁量」にもよります。
が、しかし、プレイヤー側からもある程度推測はつきますので安心してサッカーを楽しめます。
しかし、HSKの場合、判断基準が不明瞭すぎまして、受験者としてはそこを明確にしてテスト受けておきたいところです。
HSKのイエローカード・レッドカードのルール
そこで今回、HSK日本実施委員会にイエローカードとレッドカードについて問い合わせてみました。
その結果、以下の回答を得られたのです。
■レッドカードの対象
①試験中に携帯電話や電子機器の使用およびアラーム音が発生した場合。
②2度不正行為を行った場合。
(2度目のイエローカードを提示される場合)
③定められた入退室の時間帯以外に退室した場合。レッドカードが提示された場合には、その時点で失格、退室となり、それまでの解答は無効となります。
■イエローカードの対象
【代表的な不正行為】
・定められた各パートの回答時間中に他のパートを解く・見る行為は禁止。
(例えば、「聞き取り」の時間に「読解」を問題を見たり解答する行為も禁止。)
・カンニング行為。
・他の受験生へ影響のある迷惑行為と試験監督官が判断される場合。なお、「他のパートを解く・見る行為」につきましては、イエローカードの対象となる行為となりますが
注意を受けた後に同じ行為を行った場合には2回目という事でレッドカードの対象となります。
上記内容を整理すると以下になります。
イエローカード対象行為
- 他のパートを解く・見る
- カンニング行為
- 他の受験者の迷惑になる行為
レッドカード対象行為
- アラームを鳴らす
- 定められた時間帯以外の退場
- 2枚目のイエローカード
なるほど。
つまり違反行為にも「罪の重み」が存在しているようです。
- アラーム音を鳴らす
- 時間外の途中退室
は致命的な逸脱行為であり、うっかりやってしまえば一発退場。採点もしてもらえませんし、それ以上問題を解けません。
その一方、うっかりやってしまいがちな行為である、
「他のパートを解く・見る」という行為や、疑わしき冤罪もあり得る「カンニング行為」、試験官の主観も混ざる「迷惑行為認定」に関してはイエローカードの警告で済むのです。
一度、イエローカードを貰っても、以後気をつければスコアを得ることも可能です。
今回の検証で、HSKのペナルティ制度の大枠はつかめましたが、イエローももらわぬように心がけましょう。
なんせ、わたしたちは金を払ってテストを受けていますからね。退場になってスコアが採点されないのはあまりにも悲しすぎます。
サッカーでは、イエローをもらってまでもゴールポストを守らねばならないシーンは多々あります。
しかし、HSKでは大人しくイエローすら貰わぬように心がけましょう。
Ken