社員1人の「マイクロ法人」を作る前にはっきりさせたいことが1つ。

それは

会社をつくったら、どこまで法人情報がオープンになるのか?

でした。

登記とは『登記手続きと実務ハンドブック』によると、

登記とは「法律に基づく権利関係などを第三者に公示するため、一定の事実を登記所(法務局)に備える登記簿に記載」することです。

松井初男. <完全版>登記手続きと実務ハンドブック (Japanese Edition) (Kindle の位置No.98-99). Kindle 版.

のこと。

 

会社を作ったら、商業登記謄本を通して、世間に会社の情報を公表せねばなりません。

この会社の情報が詰まった「商業登記簿謄本」は、誰でもお金を払えば閲覧できる代物なのです。

商業登記は会社の重要な情報を登記簿に記載して公開する制度です。これによって、登記された会社と取引をする相手は安心して取引することができること、会社にとっては信用を得ることができます。

松井初男. <完全版>登記手続きと実務ハンドブック (Japanese Edition) (Kindle の位置No.180-182). Kindle 版.

『商業登記簿謄本の一番やさしい読み方』によると、会社の情報が詰まった「商業登記簿謄本」の閲覧方法は次の3通り。

  1. 法務局に行く
  2. オンラインで申し込んで郵送してもらう
  3. オンラインで表示して印刷する

生まれてこの方、商業登記簿謄本を取り寄せたことがなかったので、まずは法務局に行ってみました。

 

法務局で会社の登記情報を閲覧する方法

そもそも「法務局」とは何なのでしょうか。

公式ページによると、

法務局は,法務省の地方組織の一つとして,国民の財産や身分関係を保護する,登記,戸籍,国籍,供託の民事行政事務,国の利害に関係のある訴訟活動を行う訟務事務,国民の基本的人権を守る人権擁護事務を行っています。

だ、そう。

登記以外にも戸籍や国籍などの業務を担当していますね。

 

日本全国8箇所に法務局、さらに42カ所の地方法務局が存在しています。

また、法務局だけではなく、法務局の出張所でも商業登記簿謄本の取り寄せが可能。

僕は近所の法務局の出張所に行ってみました。

 

調べてみると、法務局の出張所は「何度も通ったはずの道の片隅」にありました。

「まさかこんなところに法務局があるわけ・・・・・」

と油断していたら、本当にあったのです。

しかも、大きく看板まで出ていた、という。

 

人は無意識に自分に関係のある情報しか目に入らないように脳内で処理しているのでしょう。

これまでの人生で、法務局とまったく関係ない生活をしていたので、出張所が目に入らなかったようです。

 

恐る恐る出張所に踏み入れてみると、そこはどこか、公民館のような、図書館のような、税務署のような、市役所のような、とにかく「公の匂い」がする場所でした。

とりあえず1階の案内を見て、登記簿を閲覧できるフロアに行ってみました。

そのフロアの入口付近にマシーンが数台置いてあり、TOHOシネマズのチケットを発券機「vit」のようなマシーン。

どうやらこのマシーンで手続きするようだったので歩み寄ってみました。

 

会社を探す

まず会社を探します。

会社名でも検索できますが、同じ会社名を含む法人が多い場合、見つけにくいかもしれません。

僕がオススメするのは「法人番号」で会社を検索する方法。

ここでいう法人番号とは、「会社法人等番号」のことで「12桁の数字」ですね。

 

この番号さえわかれば、どんな複雑な名前の法人でも検索できちゃいます。

なぜなら、1法人につき1つ与えられたユニークな番号なので、被らないからですね。

つまりこれは、世に「会社法人等番号」がバレると、誰しも自社の情報を知り得るわけです。

 

登記簿謄本の種類を選ぶ

そして困ったことに、閲覧できる商業登記簿謄本は1種類ではありません。

まず

  1. 全部事項証明書
  2. 一部事項証明書

にわかれ、さらにそれぞれ

  • 履歴事項証明書
  • 現在事項証明書
  • 閉鎖事項証明書

に分類されます。

 

僕のオススメは「全部事項証明書」の「履歴事項証明書」

「全部事項証明書」とは、

「登記すべき情報」を全部記録したもの。

その中の「履歴事項証明書」とは、交付日から3年前までの変更経緯が分かるものですね。

 

「現在事項証明書」もありますが、これは「現在効力を有する直前の情報のみ」記載されています。

前者の「履歴事項証明書」のほうが情報量は多いのですね。

僕はろくに調べずに行ってしまい、間違えて「全部事項証明書」の「現在事項証明書」を発行。

今では「履歴事項証明書」を発行すればよかったと後悔しています。

なぜなら、同じ値段でも「履歴事項証明書」のほうが情報量多いですから。

 

注文が完了すると、整理番号が発行されます。

番号が窓口で呼ばれるまで待機しましょう。

 

登記印紙を購入

5分ほど待っていたら僕の整理番号が呼ばれ、窓口に入ると、

「登記印紙は買いましたか?」

と聞かれ、

「まだですね」

と答えると、フロア片隅の「宝くじ販売所」のような一角を指差され

「あちらで購入してきてくださいね」

と言われました。

 

そうです。

登記簿謄本を発行してもらうには、金がかかるんですね。

ただし、言われたのは600円分。

 

登記印紙600円分を購入し、再度窓口で申請書に印紙を貼り付け完了です。

すると、その場で商業登記簿謄本(紙)を渡してもらえるんですね。

 

いやーすごいです。

こんな簡単に、身分を証明せずに、僅かなマネー(600円)を払うだけでいいとは。。

予約なしで、10分たらずで、商業登記簿謄本を取れてしまうとは驚きを隠せません。

人生初の法務局でしたが、こんな世界があったとは・・・と新しい発見がありました。

人生でひと皮むけてしまったかのような、何かを卒業したかのような、不思議な感覚に包まれています。

 

登記簿謄本の世界はまだまだ深そうなので、

  • 商業登記簿謄本には何が書かれているのか
  • 会社を作ったら何が世間に晒されてしまうのか

を勉強し、その他のお取り寄せ方法である

などを試し、無駄に「登記謄本取り寄せをマスター」になる予定です。

まずはお近くの法務局、または出張所に足を運んでみましょう。

 

それでは!

Lin