この目で見てきた中国のクリスマスの過ごし方
2019年8月から深センに留学し、2020年1月に一時帰国。

コロナの影響で中国へ戻れず、もうすぐ1年が経過しようとしております。
日本では圧倒的、断然、クリスマスムード。
至るところでクリスマスソングが流れ、大型ツリーは飾られ、恋人らは高級ホテルを予約し、友達らはプレゼント交換しあう時期になりましたね。
日本の「クリスマス祝賀ムード」に辟易し始めていますが、ふと、1年前に過ごした「中国のクリスマス」を思い出しました。
ツリーは滅多に見かけない
クリスマスツリー?
そんなの滅多に見かけません。
いや、ハロウィンの展示が残ってるぐらいいい加減な季節感です。
唯一、ツリーを発見したのは住んでいた学生寮にて。

外国人が入居している特殊住居だったこともあり(キリスト教徒を配慮して)1Fに小型ツリーが設置されていました。
じつは、このクリスマスツリー、深センで見かけた唯一のツリーだったのです。
クリスマスソングは聞こえてこない
町中のいたるところでクリスマスソングが・・・・かかりません。
唯一、わたしが耳にしたのは、
スターバックスにて。
中国ではスターバックスが爆発的人気を誇り、至る所に見受けられます。
ただ、コーヒーのお値段は高く、一食分ぐらいします。
金銭的余裕がある方しか入れない場所であり、その高級感・特別感が中国でスターバックスが受け入れられている理由なのでしょう。
もう、ほんと、この場所でしかクリスマスソングは聞かれません。
中国の若者はどうやってクリスマスを祝っていたのか?
深圳大学の若者はどのようにクリスマスを祝っていたのでしょうか。
12月24日・25日は大学付近で過ごしておりまして「密かに」学生を観察していたんです。
ズバリ、
ひとっこひとり、誰一人として、オープンに祝っている輩はいません。
これまでと変わらない日常を粛々と過ごしていたんですね。
唯一見かけたのは、4人。
24日夜にキャンパス内をジョギングしていた時のことです。
ジョギングコースの芝生に、4人組がひっそりレジャーシートを敷き、サンタのコスプレをしてパーティーを楽しんでいました。
屋外で、レジャーシートを敷いて、しかも1組しか祝ってなかったのです。
ほんと、見かけたのはそれぐらい。
中国の大学生はクリスマスに見向きもしていないようでした。
それじゃあ一体、クリスマスの夜にみんな何をしていたのでしょう?
ズバリ「勉強」です。
図書館、自習室はいつも通り夜遅くまで学生がつめかけていました。
机に本を積み上げ、シコシコ勉強しているではないですか。
クリスマスの夜だけに限りませんが、中国学生のストイックさには驚かされるものがあります。
日本のクリスマスの本質が見えてきた
以上、中国のクリスマスの過ごし方はすこぶるシンプル。
中国に住んでいるとクリスマスを忘れてしまいます。
いや。
「クリスマスを忘れさせてくれる環境だった」と言えましょう。
昨年度は中国でクリスマスを過ごしていたこともあり、今年度迎えた日本のクリスマスは2年ぶり。
日本のクリスマスに疲れを感じるようになりました。
- なぜにみんなで祝わないといけないのか?
- なぜ恋人はホテルに宿泊するのか?
- なぜフライドチキンなのか?
- なぜクリスマスソングを聞かねばならないのか?
日本のクリスマスの本質。
それは、
「みんなと同じことしよう」という同調圧力だったのです。
2年ぶりに過ごした日本で『コンビニ人間』を思い出しました。
この小説では、「コンビニで働くこと」が何よりも好きな主人公に対して、社会の圧力が次々と襲いかかります。
端的にいうとこの社会的圧力は「普通になってほしい」という要望に他なりません。
まさに日本のクリスマスも『コンビニ人間』と同じ。
「みんな同じでなければならない」という圧力の塊ではありませんか。
これはクリスマスに限ったことではありません。
日本には「みんな同じことであることに気持ち良さを感じる」性質があるのでしょう。
しかし、周囲と同じことをしたくない「ひねくれた人間」にとっては息苦しい国でしかないのです。
昨今、コロナの影響で、日本にとどまらざるを得なくなりました。
おそらく、あと10年は同じ状態が続くでしょう。
いつの日か事態が収束したら、日本からゆうゆうと出ていける力を身につける期間だ、と捉えることにしました。
それでは!
Ken