中国人の何割ぐらい英語を話せる??
これまで
中国人は日本人よりも英語が話せる
と思っていました。
TOEICやTOEFLの平均点は日本よりも圧倒的に高いですからね。
ぼく自身の経験からも「中国人の英語ができるイメージ」は出来上がっていました。
アメリカ留学で出会った中国の友人はみんな英語がうまく、表現とか振る舞いなどを学ばせてもらいました。
しかしながら、中国に実際に行ってみると、
大多数の中国人は英語を話せず、むちゃくちゃ苦手意識を持っている
ことに気が付きました。
こちらが英語を話すとビクッと震えたり、顔をしかめたり、「無理無理無理」みたいな感じで避けられることが度々。
英語に対して苦手意識を持っていて「できれば話したくない感」が伝わってきます。
この英語に対する苦手意識は、日本人のそれとかなり似ていますね。
これまで中国の北京、深セン、天津、上海、青島とか行ってみましたが、だいたいどの地域も一緒。
感覚値で言うと、
9割の中国人は英語が話せない
と思っておくといいでしょう。
もちろん、英語が話せる中国人もいます。
ただ、それはほんの一握りで、留学を経験してきたエリート、もしくは英語教育をスパルタで受けてきた若者たち。
それ以外の現地人はまず英語が通じないので、中国では英語を封印しておいた方が身のためです。
なぜ中国人は英語が話せないのか?
それではなぜ、中国人は英語を話せないのでしょうか??
最初はわからなかったのですが、ぼく自身、中国語を勉強する中で、
中国人が抱える英語学習の課題が見えてきました。
それは、
語彙
に他なりません。
なぜなら、中国語は外来語を吸収しにくいからです。
中国語では、外来語をそのまま使うのではなく、独自のワードを割り当てます。
まるで、明治維新にsocietyに当たる単語を「社会」と名付けた福沢諭吉のように、です。
ほぼ全ての外来語に対して、独自のネーミングをしているのです。
例えば、クリスマスのサンタ(Santa)。
日本語はカタカナというツールがあるので「Santa」を「サンタ」として取り込んでいますね。
一方、中国語でSantaは
圣诞老人(シャンダンラオレン)
と名付けられています。
「圣诞」がクリスマスを意味し、「老人」がおっさん。
つまり、中国でSantaは、
クリスマスのおっさん
と呼ばれているのです。
日本人はSantaを「サンタ」として認識しているので、Santaを覚える時は
「ああ、あのサンタね」
と、覚えやすいです。
がしかし、中国人はSantaを「圣诞老人(シャンダンラオレン)」として認識しているので、
「えっ、あの老人、サンタっていうの?」
とゼロから学ばねばなりません。
しかも、圣诞老人はそのほんの一例です。
外来語に対して独自の言葉を作り出している単語は他にも存在しているのです。
たとえば、
- サングラス → 墨镜(モーチン)
- エレベーター → 电梯(ディエンティー)
- ジーンズ → 牛仔裤(ニョウザイクー)
- CD → 光盘(コンパン)
- スプーン → 叉子(チャーズ)
- コンピューター → 电脑(ディエンナオ)
- テレビ → 电视(ディエンシー)
などですね。
このように本当にもう色々あり、
外来語があまりにも中国語に溶け込んでいません。
たまに、マラソン(马拉松)とか、カラオケ(卡拉OK)とか、ドラえもん(哆啦A梦)とか、音を表現した外来語もありますが、実に少数です。
ほとんどの中国語の単語は、独自に外来語を訳して作り出しているものがほとんどです。
ただ、中国語には英語と近い部分もあり、
- 語順が似ている
- 発音が英語並みに複雑(RもFもある)
という特徴もあるので、語彙の課題を乗り越えた中国人は、流量な英語を話すようになるのでしょう。
英語学習に対する日本人の強みが見えてきた
今回は「なぜ中国人が英語に対して苦手意識を持っているのか」を書いてきましたが、同時に
日本人が持っている英語学習に対する強み
も見えてきました。
それは、
カタカナで外来語を取り込みやすい点です。
外来語をそのままカタカナでインストールできるので、英単語の半分はすでに知っているようなもの。
中国人と比べて圧倒的にアドバンテージがあります。
例えばサングラスという単語をだったら、すでに大体の音である「サングラス」を知っているので、「sunglasss」という英単語を見て、
「あーあのサングラスね」
と納得しやすいです。
ぶっちゃけ、あとはスペルの並び方と発音記号を覚えるだけでオッケーです。
これが中国人の場合、
「は?墨镜(モーチン)のことsunglassっていうの?」
となるため、記憶に定着するまで時間がかかります。
日本人の課題は
- 文法(語順が違いすぎる)
- 発音(いろいろ違いすぎる)
ですかね。
文法は学校でくそ叩き込まれますので、あえていうなら、
日本人は英語の発音さえマスターすればいいのです。
発音を覚えてしまえば、英単語も正しく暗記できるようになり、本来得意だった英単語の暗記力もパワーアップするでしょう。
それでは!
Ken