去年の暮れあたりに勢いで、ミラーレス一眼レフカメラα7IIIを購入してから1ヶ月が経った頃のことです。
以前にキャノンのデジタル一眼レフカメラの入門機を片手に写真教室へ通ったこともあり、形状や質感が特徴的な物体を静止画で撮影する術を学んだことは一度ありました。
しかし、です。
いまだに全くわからなかったのが、
一眼レフカメラで動画を撮影する方法です。
α7IIIをはじめとする一眼レフミラーレスカメラでは、映像録画できますので、写真だけでなく動画撮影機材としても利用可能です。
ミラーレス一眼レフカメラの登場により、従来のハンディカメラとは異なる被写界深度を操作してボケの演出することが可能になりまして、多くの機材を持たない素人であっても、美しい映像を作れるようになったのが昨今であります。
そうなると、当然、勢いで購入してしまった一眼カメラでも動画を撮ってみたい、と思うようになるのは時間の問題だったのです。
そこで心機一転、以前から気になっていた
BYNDの一眼レフシューティングラボ
に参加してきました。


この講座はデジタル一眼レフによる動画撮影に特化した講座。
1ヶ月みっちり週に1回、1日5~6時間の密度で一眼レフによる動画撮影テクニックを学べます。
時は早いもので受講から半年ぐらい経ってしまっていますが、今更ながら赤裸々にこの講座のレビューをしておきます。
BYND(バインド)とは?
「BYND(バインド)」は総合的な映像スクールです。
一眼レフによる動画撮影だけではなく、After Effects、Premiere Proによる映像編集のノウハウを学べる講座もございます。
その最大の特徴は「持ち込み型」の講座である、という点です。
スクールで機材をレンタルしていませんので、ご自身のパソコン、カメラを現地に持ち込み、自分の機材で修行するのです。
BYNDの前身は2015年から4回実施された「HLYWDキャリアスクール:モーションインフォグラフィックス講座」。
運営元の「HLYWD INC.」はスタジオの運営映像の撮影を行っている会社でもありまして、その映像のプロフェッショナルたちが開く講座がBYNDの映像クラスなんです。
そんなBYNDの講座には以下の4種類存在しています。
- モーショングラフィッカー
- ビデオグラファー
- 一眼動画シューティングラボ
- ワークス・リフト講座(チューン・オブ・モーション、スケッチ・フォー・ビデオ)※オプション講座
いずれも特徴として挙げられるのが、先ほどもチラッと紹介したマイ機材を持ち込む受講するスタイル。
加えて、
作品チェックが必ず入る、というポイントも見逃せません。
現在は受講スタイルとしてオフラインだけではなく、オンラインの両方も対応をしている講座が多いです。
残念ながら今回受講してきた「一眼レフシューティングラフ」はカメラを実際に取り扱う講座ということもあり、オフラインのみ対応の講座でした。
一眼レフシューティングラボとは?
そして、わたしが受講してきた「一眼レフシューティングラボ」を紹介しましょう。
先程申しましたが
1ヶ月週1ペースで1日6時間(10~17時まで)、昼休憩を挟んでみっちり学べる学習プログラムです。
持ち物は
- パソコン(Adobeソフト入り)
- 一眼レフデジタルカメラ
- SDカード
- パソコンから動画を抜き出すための機材(ケーブル、SDカードリーダー)
です。
これらをスクールに持参し、現地で学んでいくことになります。
気になる受講料金は
9万8000円(税抜き)。
以上のお値段は「一眼レフシューティングラボ」を単品で受講した場合ですが、他のクラスと共に受講する事も可能。
料金 一眼動画シューティングラボ 98,000円(税込107,800円) コンプリートパックB
(一眼動画シューティングラボ + ビデオグラファー + スケッチ・フォー・ビデオ)200,900円(税込220,990円) ダブルパック
(ご希望のメインコース2つ)166,600円(税込183,260円)
例えば「コンプリートパックB」というプランでは一眼レフカメラのノウハウだけではなく、その撮った映像をPremiere Proで編集する技も学べるのです。
BYNDの一眼レフシューティングラボで1か月学んでみた感想
ってことで、この講座で1ヶ月みっちり学んできましたので、その感想を赤裸々に書いておきます。
アウトプット重視
とにかく、まずこれですね。
最大、そして最良の特徴は
アウトプットの機会が多い
ということ。
学んだことをそのままにせず、知識インプット直後に手を動かす実習が入ります
そして、注目すべきはその成果物をお蔵入りにできないこと。
自身の作品を他の受講生、講師、ティーチングアシスタントの面前で公開することになります。
そう、ここBYNDでは、作ったものを隠し通せません。
クリエイターに必要な資質である「作品を誰かに見てもらう度胸」を鍛えられるのがBYNDの特徴でございます。
しかも、ネット上に動画をアップロードするのとは訳が違います。
この記事のように不特定多数に対してではなく「クラスに参加している特定の少人数」に作品を見てもらえる機会はそうそう得られません。
アウトプットする機会は授業中はもちろんのこと、次回までに作る課題でも与えられれます。
課題はほぼ毎回ありましたので、とにかくアウトプットする機会に恵まれます。
これが週1ペースで1ヶ月続きますので、受講中1ヶ月は映像クリエイターになったかのように、頭の片隅のどこかに映像制作のことがある状態が続きました。
他の受講生たちの作品も見る
ということは、です。
全く同じインプットをしたはずの他受講生の作品も鑑賞できる、ということを意味しています。
全く同じ内容を学んだ受講生の作品を見れるということは、己の個性にも気づく機会になります。
同じ内容を学んだにも関わらず、各自のアウトプットが均一になることはまずありません。
受講生ごとにそれぞれの味が出ていることが確認できます。
加えて、他の受講生の作品の良いポイントを吸収し、それを次回のアウトプットにつなげられるメリットもあります。
ちなみにわたしはというと、他の受講生とよくか悪くかだいぶずれてしまっていることを毎回感じる機会となりまして、
「もしかして・・・世間一般とズレているんではないか・・・・?」
と冷静に気づく良い機会だったと思います。
モデルが無料
撮影モデルを無料で調達できる点も見逃せません。
ご存知の通り、被写体になってくれるモデルを獲得するのは容易なことではありません。
身内の人間に依頼する手段もありですが、大抵は「恥ずかしい」という理由で断られるのがオチです。
「金を払って撮影モデルを雇う」という道もありますが、カメラ初心者にとってはハードルが高いですよね。
が、しかしです。
一眼レフシューディングラボならば、モデルが無料。
というのも、各参加者が「モデル」と「撮影者」の役割を分担し、役割を取っ替え引っ替えするからです。
モデルに事欠かないのはもちろんのこと、自分もモデルになるチャンスがあります。
被写体側の気持ちを知る、という点で有益な機会だった、と言えます。
ロケ弁が出る
ランチタイムには弁当が支給されます。
「ロケ弁」という名前がついている弁当ですが、普通のお弁当だと思っておいて間違いありません。
講師の方がこだわりを持ってピックアップしてくれた弁当が毎回届きますので、食事を持参する必要はありません。
ランチタイムは他の受講生と交流するもよし、早々に黙々と食べて映像制作に励むもよし、教室から脱出し、周囲を散策しながら日光を浴びるもよし、です。
基礎から応用まで
シューティングラボの学習内容は幅広く、基礎から応用まで対応しています。
カメラの一眼レフカメラの基礎(絞り値、シャッタースピード、露出)の話から始まり、それを踏まえた上で、被写体をどう切り取るのか、というフレーミングへ。
そして、カメラの動かし方、ライティング、お洒落に見せるスロー撮影テクニックまで網羅。
随時Premiere Proによる動画編集もおこなうので、受講終了後には撮影から編集まで1人で完結させられるでしょう。
わかりやすい講義内容
講義内容はすこぶる分かりやすいです。
講義スライドの作り方が秀逸で、要点がうまくまとまっていて、授業中にすっと頭に入ってくるではありませんか。
そして、パワーポイントは授業後にシェアしてくれます。
いちいちノートを取る必要もなく、帰宅後に講座の復習も可能です。
そして、講師の方は2人で、対談形式で進めてくれます。
一方的な講義よりも聞きやすく、集中力を切らさず話に耳を傾けられました。
少人数で手厚いサポート体制
そして、初心者に安心のサポート体制も整っていました。
講師2名、ティーチングアシスタントが1名の計3名のプロフェッショナルがサポートしてくれます。
わたしが参加したクラスは12人のクラスでしたが、実習時は1組4人の少グループに分け、1グループに1名講師をつけてサポートしてくれました。
「講義内容がわからず放置される」といったことはまずないでしょう。
そういった意味で「一眼レフカメラを持っているだけの初心者」でも参加しやすい講座ともいえますね。
はい、以上です。
今回BYNDで1ヶ月動画撮影のノウハウを学んだことで、一眼レフカメラの用途が格段に広がりました。
静止画を撮影するだけなく、動画を撮影する楽しみ方、喜びを覚えました。少しばかり、人生の幅が広がったのは間違いないでしょう。
動画を編集するだけではなく、編集する元となる「動画素材」にもこだわりたいという方、多いと思います。
まずは一眼レフミラーレスカメラを(勢いで)購入し、機材を整えてからBYNDの一眼レフシューティングでガッツリ学ぶ、という手もありですね。


それでは!
Ken