キーワード広告(PPC広告)をなめていた。

まさに目から鱗。この本はPPC広告の超入門書です。インターネット広告に関する知識がゼロに近い僧侶だって読めるように書いてあります。

ぼくはこの本を読むまで、キーワード広告なんて資金のある大企業が出すものだと思っていました。だって、ユーザーにワンクリックされるごとに金を請求されるんですよ?嫌がらせを受けてクリックされまくったらどうするんだよ、という不安を漠然と抱えていました笑。

ここでキーワード広告、という言葉に馴染みがない方のために簡単に説明すると、検索結果に出てくる「一番上と右側にでてくる胡散臭い表示結果」です。たとえば、「占い 恋愛」というキーワードをGoogleで検索してみたときに、

キーワード広告 例

 

のように赤の四角でカッコった部分がキーワード広告です。よくPPC広告(pay per click:クリックされるごとに金もらうわ広告)と呼ばれています。

お金をあまり持っていないぼくは当然、このキーワード広告に出稿したことすらありませんでした。ぼくは代わりに誰でも無料で時間さえかければ上位表示することができるSEO(検索エンジン最適化)にはまっていたのです。SEOとはつまり、キーワード広告の下に表示される表示結果のことですね。これはいくらクリックされても金をとられることはありません。一度そのキーワードで地位を築いてしまえば日に日にクリックされていきます。

ただ、そんなSEO信者のぼくも滝井秀典さんの『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』を読んで、キーワード広告の魅力を初めて理解することができました。今日はそんな魔法のような本を読んでぼくがおもしろいなああと思った箇所を3つほど紹介して終わります。よかったら参考にしてくださいね。

 

 

おもしろい点1.次世代のタウンページ=検索エンジン

20世紀の古き良き時代。三種の神器が日本に上陸し、人々が地域コミュニティを大切にしていたあの時代。

そんな数十年前の日本では何か日常でトラブルが発生したときに何を当てにしていたでしょう。

そう、あの黄色い本のタウンページです。

タウンページ

タウンページとはWikipediaによると、

東日本電信電話(NTT東日本)及び西日本電信電話(NTT西日本)が発行する業種別電話帳。

らしいです。よくわからないので一言?で表すと、

超地域密着型サービス紹介集

ということができます。たとえば、東京荒川区に住んでいるボクサーが壁を打ちすぎて破壊してしまったときには、タウンページ(荒川区版)の「カベ修理」の欄に記載されているカベ修理業者に電話して直接来てもらうわけです。

しかし、インターネットが普及しまくった今現在、この事情が一変しています。生活者は今まで常識と考えられていたタウンページには見向きもせず、インターネットの検索エンジンに助けを求めるようになりました。

たとえば、先ほどのボクサーは「壁修理 荒川区」というように検索ワードをGoogleに打ち込むようになったわけです。これはつまり、荒川区で壁修理業務をいとなんでいる業者はタウンページに広告を出して気長に待つのではなく、「壁修理 荒川区」というキーワードでGoogleやヤフーに広告を出したほうがよい効果がえられることを意味します。

しかも、この電話帳はどのくらい画面に表示されてどれだけクリックされてどれだけ成約に至ったのか、ということが明確にわかります。そのため、広告を出す側のクライアントも納得しやすいことになります。

そんなキーワード広告の特徴を著者は次のようにとらえています。

広告を出す側の視点から考えれば、検索エンジンとは「読者層がインターネットユーザーである2000万ページの電話帳」にすぎないのである。そして、このスーパー電話帳のすごいところは、「どのページが、月間どれだけ見られているか」という情報が無料でインターネット上に公表されているところにある。

パソコンのディスプレイに映し出される検索結果は、超巨大な電話帳の本の1ページに過ぎない。そう考えると、検索結果に表示されるキーワード広告やSEOの上位表示されているサイトやサービスの見方が変わってきますよね。なるほどお

 

 

おもしろい点2.キーワード広告では未来が予測可能

検索エンジンに有料のキーワード広告を出す際に不安になること。

それは、

どれくらい儲かるのか

ということですよね?だって、広告費の出費というリスクを負ってまで自社のサービスを押し出すわけですから。高い広告を出費したのにもかかわらず、「はいお疲れー成約ゼロでーす」なんていう事態に陥ったらならば目もあてられませんよね。もう残されたのは借金だけですなんていう人生は誰も送りたくありません。

しかし、しかしです。このキーワード広告のビジネスではそんな事態は起こりえません、だそうです。あるキーワードに対して広告を出したら、どれほどの人がクリックをして、どれほどの人が成約に至るのか、ということがある程度の範囲におさまるようになっているそうです。

この本の著者である滝井秀典さんによれば、

キーワード検索結果に一位表示していればクリック率は10%前後、コンバージョン(成約)率は1%前後

だそうです。キーワード広告をもし一位でだせれば、検索したユーザーの10%の方が広告をクリックし、さらにそのうちの1%の方が成約にいたる、というわけです。つまり、月間検索数のじつに0.1%のユーザーが成約に至るわけです。

たとえば、先ほどの例の「占い 恋愛」というキーワードを例に考えてみましょう。Google Keyword Plannerによると、

キーワード広告

月間2万2千2百回検索されて、キーワード広告の出稿費は1クリックあたり224円だそうです。

予測月間成約数=キーワード検索数×0.1%(成約率)

予測月間広告費=キーワード検索数×10%(クリック率)×入札単価の一位価格

予測月間粗利=成約数×(商品単価-原価)

予測月間収益=月間粗利-月間広告費

という式に基づいて計算してみると、

予測月間成約数=22件、月間広告費=49万7千280円

という数字が出てきます。さらに、一度の占いの値段を2万円としてそのうちの3割をぼくの取り分だとすると、(占い師とタッグを組む設定)

月間粗利=13万2000円となるので、

予想月間収益はそこから広告費を引いて、

-36万5280円になります。

え!赤字じゃないかww

と思うかもしれません。はい、これは赤字です。やばいです。しかし著者の滝井さんがおっしゃるには、顧客のリスト、というものが資産として残っているそうです。

たとえば、一度恋愛に関する占いをうけてくれた顧客に対して、次は仕事に関する占いを受けてはどうよ?という広告をだしてセールスをかけます。この既存顧客に対するアプローチは無料です。だってすでに連絡先がわかっていますもん。そのため、広告費を用いずに占い(別の種類のサービスなど)を売り込むことができるのです。これをクロスセル、と呼んでいるそうです。そういった意味で、顧客のリストというものが商売人にとって不動産のように重要な資産となっているのです。

したがって、広告費が高い検索キーワードでの参入は、資金に余裕がある方のみとなっています。そこらへんの学生であるぼくはいきなりひと月36万円の借金を負ったら、もう学生ではいられなくなります笑。 ただ、キーワード広告費が安い場合(10円とか)は、誰にでもチャンスがあります。そのニッチなキーワード、大企業が見向きもしないキーワードを狙っていくのが起業家にとってのチャンスだそうです。

今回の例のように、赤字がいくらでるのか、また、黒字がいくらになってウハウハするのか、ということが数字できっちり表せること。これがキーワード広告の魅力なのでしょう。

 

 おもしろい点3.インターネットビジネスの特徴を語る。

滝井さんはインターネットビジネスの特徴を2つほど列挙しています。

  1. 新しいものが売りにくい
  2. ウォンツ型ではなくニーズ型の商品が売れる

それでは上から順番に見ていきましょう。

 

1.新しいものが売りにくい

キーワード広告を使ったビジネスの弱点は強みである「検索」に隠されています。インターネットでは、あることに関心を持った方があるキーワードを検索窓に入力しなければなりません。つまり、誰にも関心を持たれていない、がしかしいい商品、というものは実に売りにくいのです。たとえばぼくが、超かわいいパンダロボットを開発したとしましょう。この製品はしゃべるし、愛嬌はいいわでかなりの高品質。しかしながら、世の中にまだパンダロボットがあることが知られていない。世の人々はリアルのパンダで満足してしまっている。

そんな状況で「パンダ ロボット」というキーワードで広告を出しても全く売れないでしょう。だって、そんなキーワードを検索する人数なんて物凄く少ないっすからね。

 

2.「ウォンツ型」より「ニーズ型」

2つ目の特徴はインターネットで売れる商品の特徴です。ウォンツ型の商品の代表格はコート。それも、おしゃれなコート。コートのような、日常生活で必要不可欠ではないが欲しくなるもの、のような製品は実に売りにくいそうです。なぜなら、コートと一口に言っても、様々なコートがこの世のなかには存在しているからです。たとえば、ちょっと若者にもうけるクールなコートをデザインしたとしましょう。だがしかし、なんと言葉で形容したらいいかわからない。「若者 コート」・・・いや。若者は自分たちのことを若者なんていわないか。「クール コート」・・・いや、なんだか言葉にしてみたら肌寒いコートのように聞こえるではないか・・・・・のように言葉ではなかなか形容できません。これではどのキーワードで広告を出してどのような売り文句を出したら生活者にささるのか不明瞭ですよね?このような製品は実際の店舗で生活者の視覚・聴覚・触覚などの五感に訴えかけるほうがよく売れるそうです。うむう、

一方の「ニーズ型」。こちらは生活者が心の底から問題を解決したいがために検索する商品。たとえば、「リモコン 壊れた」というキーワード。このキーワードを検索窓に入力している方々は、おそらく現実の生活で利用していた何かのリモコンが故障して何かを利用できなくなってしまった方なのでしょう。たとえば、見たいDVDがリモコンで再生できなくなったしまったとかですかね。そういった方々に適切にサービスがあることを伝えてやれば、必ずすぐにこの広告に飛びついてくるはずです。よほど見たかったDVDなんでしょうねw

 

 

以下、「1億稼ぐ検索キーワードの見つけ方」より引用です。

これで「1億稼ぐ検索キーワードの見つけ方」を読んで言いたいことはなくなりました。少しでも興味を持った方はぜひ読んでみてください。ぼくのようなウェブマーケティング初心者の方でも理解できる内容に仕上がっています。それでは、最後はこの本のよかった箇所を引用して終りますね。

Ken Sawai

「儲かるはずもない商材」を売りたい、という方が質問にやってくる。しかし、「自分がやりたいこと」「私たちが売りたい商品」が先では売れるはずがないではないか。

あまり知られていないが、通信販売(無店舗販売)という商売は「広告媒体そのもの」が市場である。買ってくれるお客の数が市場規模ではない。自社の商品・サービスを購入してくれるお客が目にする「媒体」を見つけることができるかどうかで、ほとんどビジネスの勝敗が決まってしまうのである。

要するに通販の世界とは、「お客が見る媒体に広告を出していなければ、商品・サービスは存在しないと同じ」ということなのである。

一日に一回しか入力されない言葉が全体の六十三%を占める

大企業が大量資本投下してくる少数のビッグキーワード市場よりも、多くの人が注目していない大多数のニッチキーワード市場を狙え

キーワード広告を出していないと「今すぐ買いたい」と考えているお客を、確実に逃してしまう

SEO(検索エンジン最適化)対策だけをやっていて、キーワード広告を出さないのは、財布から金を出して「買わせてくれ!」と懇願しているお客を無視しているのと同じである。

検索窓がついているすべてのサイトに、今後キーワード連動広告が出てくる可能性がある

需要があって、供給がないところで売れば、儲かる。実に簡単なことじゃないか。

「商品をどうやってキーワードで売るか」という発想を、「検索キーワードに合った商品は何か?」という考えに逆転させる必要がある、ということだ。

最も大事なポイントとは、「新規の購入者リストを一人増やすのに、一体いくら広告費用が必要なのか」を知ることなのである。

メールマガジンによる販促は購入してくれた人だけに行ってください

お客が検索結果でクリックする確率と、そこからホームページで購入する確率は、ほとんど決まっているからだ。死ぬほど大事なポイントだから、もう一度言おう。検索結果でクリックされる確率と、そこからホームページで購入される確率は、ほとんど決まっている。嘘じゃあな。本当の話だ。

「ウォンツ商材」は「プッシュ型」のマーケティングをして衝動買いさせないとだめだ

キーワードマーケティングで売れる商材は、圧倒的に「ニーズ商材」(必要性があって初めて購入する商材)の独壇場である。言い換えれば、ショッピングモールで探しても変えない商品・サービスが、検索エンジンのキーワード経由で圧倒的に売れるもの、といえる。

リアルの世界以上に、新しいものが売りにくい場所、それがインターネットである。

社会人がある程度お金をかけてやるスポーツ業界、マニアックな趣味業界はインターネットに非常にチャンスの多い、儲かる市場である。

「インターネット関連の人間はマーケティングがへたくそ」という点がある。いわゆる技術屋あがりの人間が多いので、およそマーケティングとか顧客心理なんていうものを考えられない人たちが非常に多い。要するに「技術バカ」で、お客にわかりやすい言葉で説明しようといったことがまるで考えられないのである。

私はキーワード需要から新規顧客を獲得できるフロントエンド商材を販売し、まず「実績と信用」をつくり上げた。そのうえで本来売ることがむずかしいコンサルティングサービスをバックエンドに用意し、安定的に顧客を増やした。もちろん既存客にメールを送るだけなので広告費はゼロである。

一つの仕事、一つの会社、一つの商品だけで一生を終える時代はとっくに終わっている。人と違う結果を出すのならば、複数のスキル、複数の商材を売るのは当たり前だ。やらないのは単なる甘えにすぎないのである。

キーワード需要があり、競争者の少ない市場を選んで新しくフロントエンド商材をつくるほうがはるかに早道だ。「あなたの売りたいもの」をどうにかして売ろうとしても、だめなものはだめなのだ。

決して忘れないでほしい。お客さんの、まだ満たされていない需要を満たすこと。誰も解決してくれない問題を発見し、解決してあげること。それがビジネスである。